まえしまのブログ

いや、お恥ずかしい

別に誰も求めてないけど 悲しみが溢れて止まらない ホンダグレイス生産終了の そのお知らせのせいだよ

誰も求めちゃいないだろうが書き殴らせてくれ。

 

「いつか絶対に買いたい」そう思えるほど自分にとって魅力的なものが存在しているということが、どれほど幸せなことだろうか。

 

おれは、クルマがまさにそれである。ホンダのグレイスというクルマをご存知だろうか。ザ・クルマという形、落ち着いた雰囲気を醸し出すセダンタイプ。若々しさを感じさせる佇まい。精悍な顔つき。サイドのスリットから流れるようにつながる軽やかなリア。無駄な豪華さがなくおじさん臭くない内外装。ホンダらしいシンプルな操作・モニター系。

 

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Honda GRACE

グレイス(2020年7月終了モデル)|Honda公式サイト

 

好きなところを挙げだすとキリがないが、とにかくおれはいつか必ず買うぞと心に決めていた。街中でまれに見かけると頸部回旋ROM限界まで凝視することをやめられなかった。もちろん今の生活に必需品というわけではない。だからこそ、いつか買うんだという思いは心の中で燃えていた。首都圏では今すぐ購入を検討できるものではないから、月に1回くらいホームページを見に行って、「はぁやっぱかっこいい。やっぱこいつ。」と心の火を消さずにきた。「ホンダのグレイスがまだ買える」という状況だけで、生きる糧となり、自分の人生の未来の中に存在し続けた。ところが、だ。タイトルにある通りだ。8月某日グレイスのトップページを見に行くと生産終了の文字があり、ホンダのクルマ一覧から消えてしてしまっていた。心のどこかで「やはりか、とうとうか」と思うものの、どうしたって悲しみが溢れて止まらない。あまり売れていない、見かけないということも他人と被らなくていいなと思っていた。みんながわからないかっこよさがある。おれだけがわかるかっこよさがある。だから絶対買いたかった。非常に残念だ。

 

今回の件に、「欲しいものはそう思ったうちに」なんて教訓をつけるつもりは毛頭ない。さすがに大きな買い物すぎる。今は買えないけど、いつか買いたい・手に入れたいものが1つでもあれば、それを考えている時間は間違いなく幸せであり、尽きるつことのない物欲をもつ現代人にとって手に入れることだけが全てではないのだと、そう伝えたい。結果としてホンダのグレイスを自分の元に迎え入れることはできなくなった。しかし、グレイスという車が存在したことは、おれに未来の人生を想像する楽しさと幸福をもたらしてくれた。それだけで彼(グレイス)はおれへの役目を果たしたのではなかろうか。

 

ありがとうホンダのグレイス。

グレイスの企画・開発・生産・販売・広報すべてに関わった方に感謝したい。

おれはこれからも、街中で見かけた時には頸部回旋ROM限界まで凝視し続けるだろう。

 

いつかまた、こんな風に思えるクルマに出会えることを信じている。